旭っ子記者クラブ

わたしたちが住む高知市旭地区を探検します

本宮川の事情

本宮川は鏡川の水を弥右衛門地区へ送るための農業用水路。
途中(元町の北)で江ノ口川と合流して東の弥右衛門地区へ向かう。

 

みんなの本宮川

旭小学校の前を流れる本宮川は
私たち子どもにとって、とても馴染みの深い川だ。

小さいのから大きいのまでいろいろな種類の魚がいて
たまにカニを見つけると得した気分になる。

初夏には、蛍を見ることもできる。
蛍の餌になる貝は綺麗な水の所に多く生息している。

蛍の幼虫が食べるカワニナ

地域の「本宮川を取りもどす会」の人たちが川を大事に守ってくれている。

生き物の隠れやすそうな所を守るように石や鉄網などで、
さらに居心地の良さそうな場所が作られている。

生き物にとって、とても棲みやすい川ということがわかる。

生き物が隠れやすい石垣

そんな地域の優しさの象徴みたいな本宮川だけど、
ときどき「水がなくなる」という異常事態が起こる。

逃げ遅れた魚は、干上がっていく川底でだんだん動かなくなる。

何が起きたのか?どうしたらいいのか?分からなくて
見ているだけしかできない。つらい。

 

水が消える

今回

「本宮川を取りもどす会」の大石さんに本宮川のことを教えてもらった。

19日、日本に最強クラスの台風14号が来て、大雨が降った。

20日、大雨による浸水対策のために、鏡川から本宮川への水が止められた。

鏡川からの水がなくなると、本宮川は水無し川になってしまう。

そうなると、本宮川は死を待つ川だ。

9月20日の旭イオン前~東。江ノ口川へ続く下流は干上がってしまっていた。

そんな時、大石さんは川をパトロールして魚を救出する。

この日も、早く水門を開けて水を流してもらえるよう
市役所にお願いしたり、台風のあとの掃除をしたり。

大忙しだ。

鏡川から本宮川への水門は「開ける」か「閉める」しかできない。

開けているときは天国だけど、閉めると地獄だ。

もちろん、それは川の生き物目線の話。

もし、水門を閉めずに本宮川が氾濫してしまったら
周りの家の人たちが危険なことになる。

本宮川の水を止めるのは、人を守るためだ。

そうだと分かっていても、
さっきまで気持ちよく泳いでいた生き物たちが
突然水を奪われて苦しそうにしている姿を見るのは、
むごくて、悲しい。

いつも、なんとなく眺めていた本宮川。
守ってくれている人がいることは知っていたけれど、

こんな事情は知らなかった。

人も生き物も安心して共存できる方法を
次は、私たち子どもが考える番が来ていると思う。